鳥取の穴場観光スポット、白壁土蔵群・赤瓦とは

鳥取の穴場観光スポット、白壁土蔵群・赤瓦とは

鳥取県といえば、首都圏からも距離があり、砂丘などの一部を除けば、その観光スポットはあまりよく知られていません。

しかし、歴史と自然にあふれた鳥取にはまだまだ知られていない素敵な場所が多く存在します。その中でもとくにオススメな、白壁土蔵群・赤瓦について見ていきましょう。風情ある街並みはSNS映えするため、若い世代を中心に人気が高まりつつあります。

白壁土蔵群・赤瓦について詳しく解説

白壁土蔵群の成り立ちと歴史

鳥取の土蔵群は現在の倉吉市の辺りに集中して存在し、風情ある街並みが観光スポットとして人気を集めています。

元々は戦国時代にこの辺りを治めていた領主によって整備された城下町であり、現在の町の姿もそれを元にしているものです。城郭が外堀に使っていた玉川が街の中を流れており、その川を横切るようにいくつもの小さな橋がかかっている様子が美しいと、外国人観光客にも評判となっています。

文化庁によって伝統的建造物群に指定されていることもあり、定期的に建物や街並みの保護が行われているのです。江戸時代には陣屋町で栄えたこの街の特徴的な赤い瓦は、その頃から使われていたと言われています。

赤瓦はお隣の島根県石見地方の伝統的なものであり、非常に高い温度で焼くことで鮮やかな赤色を生んでいるものです。

壁の白さとのコントラストが美しく、街並み全体が統一されているため、高い場所から眺めるとおとぎ話のような美しい風景が楽しめます。多くの土蔵は現在商店として使用されており、お土産物や食べ歩きの食品などを買うことができます。

土蔵の壁が白く、下部が黒い理由とは

鳥取の土蔵群は、瓦が赤く壁の上部は漆喰で真っ白く塗られており、さらにその下は焼き杉で黒く彩られています。

この三つの色の鮮やかなコントラストがとても美しい街並みを形作っているのですが、これは観光用に用意したものではなく、昔からあるものです。一体どのような理由でこの配色となっているのでしょうか。

瓦については伝統的なもので、焼き上げる温度と土の質によって色が決まります。漆喰は防水の効果があるため、この地方に多い台風や大雨に対して土蔵の中を守る働きがあるのです。

壁一面を漆喰にしていない理由として、防火対策が挙げられます。戦国時代や江戸時代には火災が多かったため、近隣で火が起きた時にも蔵の中のものを燃やさないために杉を焼いたもので壁の下部を覆ったのです。

杉は木材ですが、一度きっちりと焼き上げると非常に硬くなり燃えにくい材質となります。火は下から上がってきますから、この防火壁を蔵の下側に設置することで火災対策としたのです。機能性を重視した結果、とても美しい土蔵群になったということを知っていれば、さらにこの街を楽しむことができるでしょう。

倉吉の白壁土蔵群の歩き方

土蔵群を観光する場合には、まず最初に街の入り口にある観光案内所に立ち寄るのがおすすめです。地元出身の元横綱である琴櫻がアルバイトしていたことでも有名なサイダー工場があった場所に立っています。

観光ガイドをここで雇うことも出来ますし、有料のもの、無料のものを合わせてパンフレットが各種揃っていますので、お店の位置を確認するのに役立つでしょう。コインロッカーも設置されているため、荷物を預けて身軽になって散策するのがおすすめです。

散策するコースとしては多摩川沿いに町を一周ぐるりと回るというのがスタンダードになります。途中に「男はつらいよ」のロケに使われたことで有名な、レトロな民家や様々な飲食店などがありますので、景色を楽しみながら食べ歩きするというのも楽しみ方のひとつです。

戦前から創業している酒造会社が多いことでも知られており、お酒好きの方はそれらを巡って飲み比べてみるのもこの土蔵群の楽しみの一つとなります。先述した琴櫻の記念館や、フィギュアミュージアムなど目先の変わった観光スポットもありますので、1日楽しめる場所となっているのです。

アニメとのコラボで町おこし

地方の自治体がアニメやゲームとのコラボレーションで町おこしをはかり、実際に大成功した例がありますが、この倉吉市も例外ではありません。テレビアニメの「ひなビタ」の作中に存在する架空の都市、「倉野川市」というのはここ倉吉をモチーフにしており、実際にこの土蔵群を含めた風景が作品の中に出てくるのです。

倉野川市は倉吉市と実際に姉妹都市契約も結んでいるほど、町公認でバックアップされています。そのため街の各所にキャラクターのパネルやグッズが設置されており、アニメファンにとっても観光名所となっています。

ここでしか買えない限定グッズもあるため、それだけを目当てに訪れる人も多く、街のにぎわいの元となっているのです。もちろんそれ以外にも駄菓子屋やたい焼き屋など、家族連れでも楽しめるような街づくりがなされているため、老若男女の誰が来ても街歩きで良い思い出を作ることができるでしょう。

アニメの続編などが制作されれば、またさらにこの白壁土蔵群を中心とした倉吉が盛り上がることは間違いありません。

まとめ

白壁土蔵群は歴史のある町並みと現代的なお店が融合した、とても魅力的な観光スポットであり、山陰本線の倉吉駅からもほど近くアクセスも抜群です。

SNS映えすることもあって若い女性や外国人観光客からの支持も高く、古い土蔵を利用した様々なお店があるため、丸1日歩いても飽きない街となっています。山陰地方観光する時には、是非この土蔵群を訪れてみると良いでしょう。

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